こんにちは。「はれ」です。
【土地家屋調査士】試験は「難関」にもランクされることのある資格試験です。
合格し取得することができたならば、かけがえのない、何ものにも代え難い資格を手にしたことになります。
ただし、その難易度ゆえ、一発で合格する方は合格者全体の10%程度と言われております。
皆さま方ももちろん、受験するからには効率的な学習をして、なるべく少ない時間で、もちろんできるならば一発合格を目指されているかと思います。
今回は、そんな【土地家屋調査士】試験を合格するために必要な知識である「基準点」の解説をしていきたいと思います!
基準点のおはなし
【土地家屋調査士】試験の合格を目指し学習をすすめるには、まず基準点というものを理解しなければなりません。
合格とは3つの「点数」を超えること
【土地家屋調査士】試験に合格するには、択一、記述共に基準点を共に突破し、なおかつ総合点が合格点に達していることが必要です。
詳しく言うならば、
択一式の問題の得点で、全受験生の上位2000人程度を選出するような点数
例 令和3年度(法務省発表)
択一基準点 満点50点中32.0点(択一20問中13問正解)
基準点突破人数 全受験生3859人中2023人
※択一の基準点を突破しないと記述式の問題を採点してもらえない。
令和3年度本試験の択一の基準点は、満点50点中32.0点(択一式の問題は0.5点きざみなので誤値の可能性あり。本当は32.5点か。)なので、その累計員数を見ると2023人となり、例年通り上位2000人となるような点数が基準点となるようです。
およそ択一式基準点突破者の上位3割(または3分の1となるような点数か)となるような点数
例 令和3年度(法務省発表)
記述基準点 満点50点中30.5点
上位33.6%
基準点突破人数 午前試験突破かつ択一基準点突破者1968人中661人
令和3年度本試験の記述の基準点は、満点50点中30.5点なので、その累計員数を見ると661人、その比率を見ると33.6%となります。なので、択一の基準点を上回った2023人の、おおむね3分の1となるような点数が基準点となるようです。
択一基準点を突破し、かつ、記述基準点を突破した者の総数から、合格者が上位400人程度となるような点数
例 令和3年度(法務省発表)
合格点 満点100点中73.5点以上
合格者人数 択一基準点、記述基準点突破者661人中401人
※つまり、択一基準点、記述基準点どちらも突破したが、上位400人程度に入らなかった(含む午前不合格者)為に、260人が不合格とされた。
※令和3年度の場合、択一基準点が32.0点、記述基準点が30.5点、合計62.5点である。合格点が73.5点なので、合格するには各基準点をこえつつさらに11.0点の上乗せ点が必要になることになる。この上乗せ点を「択一で稼ぐ」というのが合格への1つのセオリーとされていれる。つまり、択一で43点(択一20問中18問正解。基準点32.0点+上乗せ点11.0点=43点)を得点すればよいことになる。逆を言うならば、択一のこれ以上の得点は合否に関係ないことになる。この点数を「逃げ切り点」という。
まず、ここの分母である1968人というのは、
午前の部の合格点を突破したもの、かつ、午後の部の択一の基準点を突破したもの
ですので、先ほどの択一式基準点突破者2023人とは違う人数となっています。
よって、令和3年度本試験の合格点は、満点100点中73.5点以上なので、その累計員数を見ると451人となります。この中から、上で述べたように午前の部の不合格者を除くと、最終合格者401人となります。なので、択一の基準点を上回り、かつ、記述の基準点を上回ったものの上位400人となるような点数が合格点となるようです。
以上、これらの3つの基準点等をこえて、はれて【土地家屋調査士】筆記試験合格となるのです。
最重要「逃げ切り点」とは
【土地家屋調査士】試験における択一式の問題の難易度は宅建とほぼ同レベルか、やや難解といったところで、得点し易い分野になります。
つまり、試験の難易度を上げている要因は、偏に記述式の問題にあるといえます。
これから受験を考えている人も、現在学習中の人も、おそらくは記述式の問題のことをおおいに心配しているのではないでしょうか?
【土地家屋調査士】試験を合格するための1つのセオリーとして
択一で逃げ切り点を取り、記述では少なくとも足切りにならない基準点突破だけを考えて合格点を取る。
という「合格点を択一で稼ぐ」というものが通説です。
理由といたしまして、記述式の問題はその学習の完成具合にもよるのですが、多分に「運」の要素が絡むことになるのです。
つまり本人の得意・不得意や、当日のコンディション・体調、記述式の問題に取り組む前に解答したであろう択一式の問題の難易度や印象などによって、多分に影響を受け上下し、自分の本来の実力を十分に発揮することができないことが多い分野なのです。
ある方がおっしゃるには、前日の睡眠時間によって点数が上がるとか上がらないとかいうレベルなのです。
なので、記述式の問題で良い点を取ろうとするのは少々危険と言われており(あくまでも通説であり、私はこのセオリーに申したいことがありますが。)難易度が安定しており過去問ベースで出題される択一式の問題で点数を稼いでいくというのが、ほとんどの受験生の目指すところであり、各予備校でも推奨されている合格の1つのセオリーなのです。
実際の例でいいますと、令和3年度の場合は先述の通り、
- 択一基準点32.0点
- 記述基準点30.5点
- 基準点合計73.5点
さらに、合格点が73.5点なので、合格するには各基準点をこえつつ11.0点の上乗せ点が必要になることになります。
この上乗せ点11.0点を「択一で稼ぐ」と言うのが、合格への1つのセオリーとされています。つまり、択一で43点(択一20問中18問正解。基準点32.0点+上乗せ点11.0点=43点)を得点すればよいことなるのです。逆を言うならば、択一のこれ以上の得点は合否に関係ないことになります。この点数(43.0点)を「逃げ切り点」といいます。
例 令和3年度本試験 | |
---|---|
合格点 | 73.5点 |
択一基準点 | 32.0点 |
記述基準点 | 30.5点 |
各基準点合計 (これだけでは合格できない) | 62.5点(32.0点+30.5点) |
上乗せ点 (各基準点をこえつつさらに必要な点数) | 11点 (合格点73.5点−各基準点合計62.5点) |
逃げ切り点 (上乗せ点を択一で稼ぎそれ以上は合否に関係ない択一の点数) | 択一43.0点 (択一20問中18問正解で突破) |
ここで大切なのは、択一式の問題の難易度です。
別記事でも解説しましたが、実は【土地家屋調査士】試験における択一式の問題の難易度は、宅建試験の難易度と同等かやや難しいといったところです。
よって、択一で合格に必要な上乗せ点を取るというのは必ずしも難しい話ではなく、合格するための1つのセオリーとしての
択一で逃げ切り点を取り、記述では少なくとも足切りにならない基準点突破だけを考えて合格点を取る。
というのは、実に理にかなっているといえるのです。
ライバルたちは逃げ切り点を取っている
参考までに、令和3年度本試験では、逃げ切り点である「択一18問以上」正解した者は267人います。
得点 | 員数 | 累計 | 比率 |
---|---|---|---|
50.0点(20問中20問正解) | 19 | 19 | 0.5% |
47.5点(20問中19問正解) | 77 | 96 | 2.5% |
45.0点(20問中18問正解) ※令和3年度における逃げ切り点 | 171 | 267 | 6.9% |
42.5点(20問中17問正解) | 267 | 534 | 13.8% |
どうですか?合格を争うライバルたちの半数程度は逃げ切り点を取っているのです。
択一で逃げ切り点を取れば、残りの記述は最低でも足切りさえ逃れれば合格!基準点ぴったりでOKということになります。
もちろん、上乗せ点を記述で稼いで合格する方も多くいらっしゃいますし、択一、記述共に高得点を取られて合格される方も多くいらっしゃいます。
逆に言うならば、【土地家屋調査士】試験の択一式の問題の難易度は決して高いとは言えず、しっかりと学習を進めることで逃げ切り点という高得点を取ることも夢ではないのです。
ちなみに、別記事でも言及しますが、私は当初より記述で全ての問題を解答し終わる「完答」を最低限の目標として目指しておりましたので、つまりは自ずと記述で高得点を目指しておりました。
結果は、記述式44.0点で記述の順位は5位でした。
私なりの択一式の問題との向き合い方、記述式の問題の学習方法は別記事で解説したいと思います。
それでは、また!
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