こんにちは。「はれ」です。
別の記事にて、択一の学習方法を解説し、択一を攻略することが合格への1番の近道と言いました。
学習経験者も、初学者も、択一式の問題の過去問演習をおこなっていることかと思います。
私の経験から、択一の学習において大切なことが各学習段階においてあると感じましたので、それを是非とも皆さまに取り入れていただきたく解説していきたいと思います。
少々長くなりますが、私の実践している受験ルーティンを惜しみなくお伝えしたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
最後までお付き合いくださいませ!
択一式の過去問演習に入る前に
勇気を出して過去問をやる
前提といたしまして、
学習教材を手に入れたらインプットと並行して「なるべく早期」に択一過去問の学習に入るべきです。
もちろん、最初はどんなに簡単な問題もできません。講義を聞いたすぐ後でも解けません。
あ、この話題(論点)講義で言ってたなぁー。
程度です。その講義で学んだ(耳に残っている、印象に残っている)ことも、問題には活かせないでしょう。
尚且つ、最初の1周は当然ながら初めて見る問題ですのでとても時間がかかり、想像以上に時間と精神を費やすことになります。
どのような資格試験にも当てはまりますが、本当にこの過去問の最初の数周が辛いんです。
しかし、やはり過去問はなるべく早期に取り組むべきだと考えます。
なぜならば、過去問とはアウトプットという面もありますが、インプット教材としても最高峰のテキストだからです。
中には、講義を一通り見終わったあと、インプットテキストを読み込んだあと、過去問に入るという方をしばしば見受けます。
しかし、私の経験を踏まえて申し上げるのであれば、過去問演習はなるべく早期に、むしろインプットと同時に取り組むべきです。
よく講師の方がおっしゃっていましたが、
記述で必要な知識と択一で必要な知識が別々で離れていると思われている方がいるが、それは違う。記述で問われる知識と択一で問われる知識は同じ。択一で問われる過去問知識の中の、本当に「基礎」の部分が記述で問われる。
これは本当です。択一式の問題の学習が当然のことながら記述式の問題の学習にもつながり、最終的には合格への一番の武器になります。択一をいかに攻略していくか、いかに不動産登記法を好きになっていくかが、合格への一番の近道であります。
なので、私は過去問演習はなるべく早期に取り組むべきだと思っています。巡り回って、択一の学習が記述式の学習の知識の習得につながるのです。
問題文はオリジナルの状態を維持
また、予備校の講義において、「問題文」に補足を記入したり、問題文にアンダーラインを引いたりする場面があります。
私が利用していましたアガルートアカデミーの講義においても、講師が解説すると同時に問題文に赤のマーカーを引いてました。
ここからは、私の経験談ですが、過去問演習をする際には
決して問題文の方にアンダーライン等を引かない。
ということを心がけてください。
これは絶対です!
将来、深い知識の習得や正誤判断をする上で大切なキーワードの把握に邪魔になってしまうからです。
しかし例外があります。
それは、誤字・脱字の修正、法改正等の反映です。これは問題文の該当箇所を直接加筆していくと良いでしょう。
問題文毎に「⚪︎」「×」の記号を
そして、択一式の過去問演習の中で、おそらくはノート・白紙等を使って学習を進めていくかと思います。
その中で一つのテクニックとして、問題の検討に入る前に、
まず始めに問題文を読み、第何問目の数字の近くに、
「正しいもの」を選ぶ問題なら「○」を
「誤っているもの」を選ぶ問題なら「×」を
書き入れる。
ことがとても大切です。
この記号は、その問題が「正しいもの」を選ぶのか「誤っているもの」を選ぶのかを明確にする意味があります。
日々の過去問演習をノート等で行う例で言うならば、こんな感じです。私が学習で使用したノートなので、見づらくて申し訳ございませんが。
第何問目の下にある「○」や「×」がそれです。
また、各予備校の答練や本試験など、問題用紙を用いて直接正誤判断するならば、イメージこんな感じです。
第何問目の「第○問」の記載にかぶってしまっても良いと思います。むしろ、かぶります。
ちなみに、私の実際の本試験の問題文はこんな感じです。
この際、正誤判断の「○」や「×」と判然区別できるように、書く位置・大きさ等工夫してください。
この書き入れた「○」や「×」が、必ずや答練やひいては本試験においてあなた自身を助けることになるでしょう。
なぜならば、「正しいもの」を選ぶ問題なのにも関わらず、「誤っているもの」を選んで、その選択肢を解答とすることが、本当によくあります。
自分の記憶を思い起こしても、日々の過去問演習や答練等でも、何度この手の失敗をしたか。
過去問演習をされている皆さんなら、よくよくご承知の通りと思います。
なんでこんなミスしてしまうのでしょうか。
Twitterのツイート等でも、この手のマークミス、解答ミスは散見されます。
よって、この本当にもったいないミスを少しでもなくす工夫として、問題検討をする前に、その問題が「正しいもの」を選ぶのか「誤っているもの」を選ぶのかを明確にする意味は大きいでしょう。
日頃のこの方法による過去問演習の積み重ねが、0.5点の差で合否を分かつ本試験における「検討ミス」減少につながるでしょう。
なので、私はこの「○」「×」を、強くおすすめします。
各学習段階における具体的な択一の回し方
さて、前提の話はこれくらいにして、これからは
- 前期 択一2周目程度まで
- 中期 択一3周目程度から
- 中期 択一6周目程度から
- 後期 本試験2ヶ月程度前から
に分けて、各学習段階における択一式の学習の仕方、回し方を解説していきます。
「回す」学習前期 択一2周目くらいまで
学習初期の過去問の回し方としては、やはり、
最初は、○や×といった正誤判断はしなくてもよく、問題文1肢と模範解答を一体一対応させ、模範解答の内容を覚えるくらい読み込む。
ことを意識することが重要であると考えます。
またこの学習初期段階では、5肢択一式の問題文を、上の肢から(アの肢から順にオの肢に向かって)順に検討することをおすすめします。
択一式の問題の学習方法は別の記事で詳しく解説しています。
このようなことを意識しながら学習すると、大体一年度分解答するのに60分かかります。
過去問10周程度するまでは、この基礎的な学習が一番力がつくと断言します。
また、もう一つのテクニックとして重要なことがあります。
それは、
最初の二周くらいは解答(模範解答のページ)にアンダーラインは引かない。
ということを意識してください。
アンダーラインを引くことで、文章には「濃淡」、つまり大切な部分と大切でない部分とに分かれるはずです。皆さんも、おそらくはそのためにアンダーラインいを引くかと思います。
しかし学習初期は、過去問の問題文も模範解答も、濃淡なく読み込むことが重要であると考えています。
濃淡なく、文字通り問題文と模範解答を併せて「バクっと丸飲み」するイメージです。
模範解答にアンダーライン等を引き、自分なりの「大切なところ」を明確にして、そこだけをより濃く学習するのではなく、模範解答全文をバクっと丸飲みすることが大切なのです。
なぜならば、各テキスト、教材においても、おおよそ模範解答とは「まずは正誤が書かれており、本文として法令に基づいて原則・例外が記述されて、その続きとして当該肢を具体例として正誤の根拠に言及している」からです。
模範解答を読み込んでいるうちに自然と、法律を学習する上で一番大切な「原則と例外」そして「どのような根拠に基づいて判断するか」などを比較的に捉えることができ、知識も厚くなるのです。
模範解答の全文に余すことなく大切な論点が詰まっているのです。
また、予備校などで講義を受講している方は、講義の最中で講師がテキストにアンダーラインを引く事があり、また引いてくださいと案内があることもあります。
私はそのようなとき、以下のことを徹底しておりましたのでご紹介いたします。
テキスト・参考書等のアンダーライン | 講師の案内、講義の通り引く。 後で繰り返し見直すことになるテキストの重要なところ(本試験で出題があった、または見込まれるところ)が分かりやすくなるため。 |
講義で講師が言ったテキストに書かれていない補足等 | その都度、鉛筆でテキストに書き込む。 |
過去問の問題文のアンダーライン | 本試験まで決して引かない。高速で正誤判断する力の習得の邪魔になり、本試験で応用が効かなくなるため。また意識せずとも、そのアンダーラインをヒントに正誤判断してしまうため。 |
過去問の模範解答のアンダーライン | 3周目から引いていく。 詳しくは後述するが、3周目以降、読み込む模範解答の量を少なくし濃淡をつけることで、時間効率を徐々に上げていくため。 |
講義で講師が言った過去問に書かれていない補足等 | その都度、鉛筆で過去問の「模範解答部分」に書き込む。 やはり、問題文には手をつけず初期状態のままをおすすめする。 |
よってまとめますと、学習初期(〜2周目まで程度)に気をつけることは、
- 問題文と模範解答を併せて「バクッと丸飲み」するイメージで模範解答を読み込む。
- 上の肢から順に検討していく。
- 模範解答にアンダーラインは引かない。
- 補足情報・周辺知識等があれば模範解答のページに書き込んでいく。
- ノート等で過去問演習する際、問題検討前に、第何問目の近くに「○」「×」記号を記入する。
といったところでしょうか。
「回す」学習中期 択一3周目程度から
さて、過去問を2周くらいすると、同じようなことを聞かれている問題、または同じような解説が書かれている問題等の多さに気づくはずです。
あれ、これ見たことあるな。そういえば似てる問題あったな。
と。
【土地家屋調査士】試験の択一式の問題においては、似てる問題が多いのです。
つまり、本試験の出題は間違いなく過去問ベースなのです。
大切な論点、問われやすい論点は、繰り返し出題されるのです。
一方、過去問と全く同じ文言で聞かれているかといわれると、そうではありません。本試験は、過去問知識を違った言い回しや違った角度から出題してきます。
そのように過去問を回していると、だんだん模範解答の中で「大切な部分(需要な要件、原則・例外等)」がわかってくるはずです。その時点で、ようやっと模範解答にアンダーラインを引くことをお勧めいたします。
3周目から、模範解答にアンダーラインを引き、文章に濃淡をつける。
2周目までは模範解答全文を読み込むことをお勧めいたしますが、それではゆうに60分の時間がかかってしまいます。
また、受験業界でしばしば言われていることですが、「わかる・できる問題は飛ばしてもよい」のです。そうは言っても人間はどんどん忘れていきますので、もちろん、適宜なタイミングで再度解答し直すことが必要であることは言うまでもありません。
また、「わかる・できる」問題を飛ばさないまでも、徐々に読み込む模範解答の量は減らしていくべきです。
つまり、3周目になったならば、思い切って模範解答に濃淡をつけてみてください。
模範解答を、「大切な部分」と「読み飛ばす部分」に分けるのです。そのためにアンダーラインを活用します。
アンダーラインを引く場所は、
- 間違えたところ
- 「主観で」大切だとおもうところ
- 本試験で問われそうな周辺知識
等でよいと思います。
この3周目以降は、模範解答に濃淡をつけ、学習効率を上げて過去問を回しながら、各論点の大切な部分を頭に染み込ませる、言わば知識を爆発的に身につける期間になるはずです。
また、過去問を「回す」中で、過去問(模範解答のページ)をカスタマイズし充実させていくことも効率的な学習につながると思います。
自分なりの補足だったり、答練で問われた過去問の周辺知識だったり、模範解答には書かれていないテキストや六法に書かれている大切な周辺知識だったりを鉛筆で書き込んでいっても良いと思われます。
キーワードは「周辺知識」。
面的に・体系的にその論点がわかるように、一肢の模範解答にその周辺知識を書き込むことができるならば、模範解答を読み込むことで、たくさんの学びにつながると思いませんか?
限られた時間ですので、せっかくならば効率的に学習を進めたいものです。
実際の私の択一式過去問はこんな感じ。見づらくて申し訳ございませんが。
よってまとめますと、この頃の学習は
- 「この問題見たことあるな」を大切に、この頃も問題文と模範解答を併せて「バクッと丸飲み」するイメージで模範解答を読み込む。
- 上の肢から順に検討していく。
- 模範解答にアンダーラインを引き濃淡をつけ、学習速度を上げていく。
- 補足情報・周辺知識等があれば模範解答のページに書き込んでいく。
- ノート等で過去問演習する際、問題検討前に、第何問目の近くに「○」「×」記号を記入する。
ということが大切です。
「回す」学習中期 択一6周目程度から
この頃から【土地家屋調査士】試験独特の択一の出題形式にそった学習をはじめるのがよいと思います。
【土地家屋調査士】試験の択一式の問題の解答方法のほとんどは、
適当な組合せを答える。
ものとなります。
本試験の例で言うならば、こんな感じです。
このように、「組合せ」を答える出題がほとんどです。
例えば、簡単な例題を一つ。
魚はどれでしょう。正しいものの組合せを選びなさい。
ア 鰯
イ 机
ウ クジラ
エ まぐろ
オ 珊瑚
1 アイ 2 アエ 3 イオ 4 ウエ 4 ウオ
正解 2
どうでしょう?
おそらく、ほとんどの皆さんが「5肢の中から一つの答えを導くよりも組合せの方が簡単そうだ」と思われるはずです。
なぜならば、例題の場合、「鰯(いわし)」という漢字が読めなくても、「マグロが魚である」ということがわかれば、解答を「アエ」または「ウエ」の二択に絞れるからです。
そこから逆説的に、アの「鰯」とウの「クジラ」の検討に入っても答えを導き出せるのです。
確率の面からいっても、1肢さえ正誤判断がつけば2択に絞れることになり、5肢の中から一つの解答を導くよりも、正答を選びやすいことになります。
この組合せ式の出題の解きやすさが、【土地家屋調査士】試験における択一式の問題の難易度が宅建の択一式の問題と同レベルであると言える所以なのです。
また、次のような問題はどうでしょう。
魚はどれでしょう。正解の組合せを選びなさい。
ア 机
イ 帆立
ウ サンゴ
エ マグロ
オ 鮟鱇
1 アウ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 4 エオ
正解 4
このような場合、
- アの「机」から検討し、明らかに違うと判断。
- 問題文下方に記載されている選択肢の内、アを含んでいる組合せの「1」「2」を消す。
- イの「帆立(ほたて)」を検討し、明らかに違うと判断。
- 問題文下方に記載されている選択肢の内、イを含んでいる組合せの「3」「4」を消す。
- 残る「ウ」「エ」「オ」を検討する前に、選びうる選択肢が「5」しかない。
- よって、正解は「5」の「エオ」である。
というふうに解答することができます。
当然のことながら、全肢を検討するよりもはるかに短い時間で次の問題に移る事ができます。
一見すると、
こんな出題形式稀じゃないの?
と思われるかもしれませんが、択一式の過去問演習をしているなかでこのような出題をおそらく良く目にすることでしょうし、解答速度を上げる一つのテクニックとしてこのように判断していくこともできるということを、一つの武器として訓練をしていく必要があります。
以上のことを踏まえると、択一6周目程度からは、
1肢検討できたならば、解答群の選択肢からその肢に対応する肢を検討する。
というふうに、解答・肢の検討の順番を、本試験の出題方式に則って訓練する必要があると思います。
よって、この頃の択一の解答・検討の仕方は本試験直前期まで固定し、
- 択一の解答・検討の仕方
-
- 上の肢から順に検討していく。
- 検討の途中で組み合わせの一つの肢を判断できたならば、その組み合わせのもう一方の肢の検討に入る。
- 検討したもう一方の肢が正答であると思われるならば、その時点で選択肢から一つの解答を判断する。
- その後、残った肢を検討する。もちろん、すでに正誤判断をし解答を求めているので、残りは誤答なはずである。
- 残った肢を検討し、矛盾が生じる(残った肢に明らかに正答があった等)場合は、再検討する。
というふうに、正誤判断・検討する癖をつけるべきです。
なぜならば、本試験の択一を20分で解答するには、このような検討の仕方が不可欠だからです。
よって、この頃の回し方をまとめますと、
- 「この問題見たことあるな」を大切に、この頃も問題文と模範解答を併せて「バクッと丸飲み」するイメージで模範解答を読み込む。
- 上の肢から順に検討していくが、正誤判断・検討の仕方を、本試験に則って訓練していく。
- 適宜、模範解答にアンダーラインを引いたり、補足情報・周辺知識等が書き込んだりする。
- ノート等で過去問演習する際、問題検討前に、第何問目の近くに「○」「×」記号を記入する。
という感じです。
「回す」学習後期 本試験2ヶ月程度前から
過去問の何周目であれ、本試験がいかに直前に迫っているのであれ、過去問の学習の仕方はあまり変わりません。やはり、大切なのは模範解答であります。
しかし、学習後期になると2つのテクニックをつける学習に切り替えていただきたいと思います。
一つ目のテクニックは、問題文を「キーワード読み(飛ばし読み)」すること。
二つ目のテクニックは、キーワードを見て頭の中に「論点ボード」を展開すること。
という二つのテクニックです。どちらも、本試験の択一を20分で解答する。もちろん、速いだけでなく、正解を導くために、必要なテクニックです。
テクニック①「キーワード読み」
まずは、こちらの本試験の問題をご覧ください。
こちらは令和3年度の実際の本試験問題です。
これを私がキーワード読みすると、
のように、私だったら、この赤いマーカーをつけたところだけをかいつまんで読むことになります。
つまり、キーワード読みとは、文字通り
問題文の大切な部分のみを読み、その情報だけで問題文で問われていることをある程度正確に把握すること。
です。
キーワード読みをするときの注意点は、
- 問題文の冒頭に軽く目を落とし、何が問われる問題なのかを把握する。
- 本試験の例で言うならば、「地番や家屋番号」に関する問題なんだな。という感じ。
- その問題文が「正しいもの」を選ぶのか「誤っているもの」を選ぶのかを把握する。
- 本試験の例で言うならば、「誤り」「組み合わせ」だな。という感じ。
- アの肢をキーワード読みする。
- 本文『合筆により登記記録が閉鎖された土地の地番は、特別の事情がない限り、再使用されない。』
- キーワード読み『「閉鎖」「地番」「特別な事情がない限り」「再使用されない」』という感じ。
- このキーワード読みで大切なのは、問題肢の語尾「できる」「できない」などの結論を読み間違えないこと。
- 本試験のアの肢の例で言うならば、「されない(=できない)」だな。という感じ。
です。
くれぐれも、キーワード読みに気を取られすぎて、大切な要点を読み飛ばしたり、語尾の結論を読み間違えたりして、問題肢の要旨を間違えないようにすることです。
択一式の問題は、1問2.5点です。0.5点で合否を分かつ本試験において、読み間違いはとても痛いミスです。かといって、じっくり時間をかけて択一を検討している暇もありません。
このキーワード読みをマスターするために、過去問テキストの問題文にはアンダーライン等を引かずに、オリジナルのままの状態を維持することをお勧めしたのでした。
この時期までには、過去問を繰り返し回していることと思います。
自ずと問題文の大切な要点・キーワードがみえてくるはずです。
なので、日頃の過去問演習の際から、この「キーワード読み」の訓練をしていくことをお勧めいたします。
テクニック②キーワードに関連する頭の中の「論点ボード」
まずは、こちらの画像をご覧ください。
こちらも、令和3年度の実際の本試験問題です。
私がこの問題文や各肢のキーワードにマーカーをつけると、こんな感じです。
キーワードに関連する頭の中の論点ボードとは、
キーワードを見たと同時くらいに、そのキーワードが出てきた過去問・答練等の問題を頭の中で検索して、その問われた(この問題肢で問われそうな論点)論点を問題肢の要旨の把握と同時に瞬時に思い浮かべてしまうこと。
です。
つまりこんな感じです。
問題肢 | キーワード | 問われた・問われそうな論点 |
---|---|---|
問題文冒頭 | 前提として「分筆」「正しいもの」「組合せ」 | |
ア | 「所有権の登記名義人」「死亡」 | 相続人から分筆登記できるな。 相続証明書が必要だな。 「名義を相続人に変えてからじゃないと分筆登記できない」っていう引っ掛けがあったな。 など |
イ | 「賃借権の設定」 | 分筆登記の際は賃借権者の承諾が必要っていう引っ掛けがあったな。 など |
ウ | 「抵当権の設定の登記」 | 抵当権者の承諾は必要ないな。 消滅承諾書を添付すると、片方消えるな。 両方は消せるっていう引っ掛けがあったな。 第三者の権利がついていたら、その者の承諾が必要な場合があったな。 抵当証券という単語も注意だな。 など |
エ | 「相続財産の管理人」 | 相続財産管理人や不在者財産管理人は分筆の登記は単独でできたな。 など |
オ | 「複数人の登記名義人」 | 所有者等が複数人いる場合、分筆の登記は1人からはできなかったな。 など |
というように、キーワードを見た瞬間に頭の中に「論点ボード」を展開して、問題肢を読む前に論点を先回りして思い浮かべてしまおうと言うのが二つ目のテクニック「論点ボード」です。
頭の中に、論点が書かれた「ホワイトボード」が浮かんでくるイメージでしょうか。
このように、問題肢を把握する前に論点を先回りして思い浮かべることができれば、一つ目のテクニック「キーワード読み」でより正確に問題肢を把握することを助け、またそれらが相まって択一の検討のスピードアップにもつながるはずです。
このように、頭の中で「論点ボード」が展開できるようにするために、模範解答の読み込みを日頃の過去問演習から徹底すべきと考えています。
これが所謂、
点ではなく、面の知識。体系的な知識。
です。
またこの頃から、
1年度分解答するのにかかった時間を記録し、より速く正確に解答できるように訓練する。
と良いともいます。
時間を測るのは、この頃からでも十分であり、逆に言うならば、これ以前では、より正確な知識をつけることに重きをおくべきだと考えます。
目標はやはり20分といったところでしょうか。
何周目かにもよりますが、20分を切ることも夢ではありません。
その日頃の訓練が、1分1秒を争う本試験でものをいうはずです。
ちなみに、私の実際の本試験での時間配分は、
- 択 一 18分(全20問中18問正解 45.0点)
- 建 物 55分(22.0点)
- 土 地 60分(24.0点)
- 見直し 17分
でした。ご参考までに。
よって、この頃の回し方をまとめますと、
- 「この問題見たことあるな」を大切に、この頃も問題文と模範解答を併せて「バクッと丸飲み」するイメージで模範解答を読み込む。
- 上の肢から順に検討していくが、正誤判断・検討の仕方を、本試験に則って訓練していく。
- 解答の際、キーワード読みをして正誤判断する。
- その際、「論点ボード」が展開しているかを意識する。
- 1年度分の解答にかかった時間を測る。
- 適宜、模範解答にアンダーラインを引いたり、補足情報・周辺知識等が書き込んだりする。
- ノート等で過去問演習する際、問題検討前に、第何問目の近くに「○」「×」記号を記入する。
という感じです。
答練の活用のすすめ
以上が各学習段階における、択一との向き合い方と、その勉強でした。
また、併せておすすめしたいのが、
東京法経学院の
「ベストセレクト答練」
「実践答練第1回〜6回」
です。
私の体験談ですが、これらの答練は、過去問知識の「別の視点」「別の問われ方」「違う角度からの出題」に特化しているものと思います。
皆さま方の択一知識を、より厚く、より深くするためには、とてもよい学習教材だと思っております。
私も、2020年度の「ベストセレクト答練」「実践答練」をメルカリにて安く購入し、これを過去問と併せて繰り返し回しておりました。
気になる方はメルカリを覗いてみることをおすすめします。
別の記事で詳しく言及いたしますが、おそらく、東京法経学院の答練は最新のものを手に入れる必要はなく、前年度のもので十分すぎるくらいのコスパだと感じております。
まとめ
以上が、各学習段階における択一の回し方の紹介でした。
つまりは、最終的には、
キーワードを読むだけで、その問題文の要旨を把握できる。
過去問の引っ掛けパターンは網羅した。
キーワードに関連する論点を自然と思い浮かべることができる。
くらいに過去問を回す必要があるということです。
言い換えるならば、このくらいの努力をしたものは間違いなく、全受験者の上位10%に入っているに違いありません。
択一を制し、見事合格を勝ちとることを祈念いたしております。
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